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交通事故に遭ったら絶対利用すべき「弁護士費用特約」とは?

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喜ぶ女の人

交通事故に遭ったら、弁護士に依頼する方が良いことはわかっていても、弁護士費用がネック…、という方が多いのではないでしょうか?

弁護士費用と言うと高額なイメージが強いですが、実は、交通事故の弁護士費用は「無料」になる可能性があります。

今回は、交通事故の際に是非とも利用したい「弁護士費用特約」について、解説します。

1.弁護士費用特約とは

「弁護士費用特約」をご存知でしょうか?

最近では、かなり認知度も高くなっているので、聞いたことがある方も多いかもしれません。

これは、自分の自動車保険につけておくオプションで、保険会社が弁護士費用を負担してくれるというものです。

つまり、弁護士費用特約をつけている場合、交通事故で弁護士を利用しても費用を支払う必要がないのです。

自動車保険に加入するときに、セットで一緒につけていることが多いです。

 

2.弁護士費用特約の加入率は?

そんな便利なものがあるとしても、自分は加入していないから関係ないや、と思う方がいるかもしれません。

しかし、弁護士費用特約は、意外と加入率が高い特約です。

2014年に保険会社(セゾン自動車火災)によって発表されたデータによると、弁護士費用特約の加入率は72.9%にも及んでいます。

他にも保険会社はたくさんあるので必ずとは言えないのですが、少なくとも現在、半数を超える人が弁護士費用特約をつけていると言っても良いでしょう。

 

3.弁護士費用特約の補償内容は?

悩む

それでは、弁護士費用特約を利用すると、どの程度の補償を受けることができるのでしょうか?

その補償内容を確認しましょう。

3-1.法律相談料

まずは、法律相談料の補助を受けられます。

1つの事故について10万円までの費用が、自動車保険から補填されます。

普通、1つの交通事故で10万円分もの法律相談をすることはないので、これは十分な金額です。

3-2.事件依頼費用

次に、示談交渉などにかかる具体的な弁護士費用についての補助があります。

補填されるのは、着手金、報酬金、実費、日当、手数料などのすべての費用です。

限度額は、1つの交通事故について300万円までで、それを超える金額は、被害者の自己負担となります。

3-3.弁護士費用が300万円を超えるケースとは?

弁護士費用が300万円を超える場合というとき、「相手から300万円の示談金をもらえる場合」とは違います。

弁護士費用の基準は、依頼する事務所によってもさまざまなのですが、標準的に、着手金10万円、報酬金は相手から支払いを受けられた示談金の15%としましょう。

この場合、相手から1000万円の示談金の支払いを受けたら、かかる弁護士費用は10万円+150万円=160万円です。

そこで、弁護士費用特約を利用すると、十分にその範囲に収まります。

次に、相手から2000万円の支払いを受けたら、かかる弁護士費用は10万円+300万円=310万円です。

そこで、300万円を超える10万円だけを被害者が負担したら、弁護士に対応してもらうことができるのです。

このように、弁護士費用が300万円を超えるケースというのは、示談金が数千万円単位になる大きな事故に限られます。

その場合でも、自分で支払う金額が大きく減額されるのですから、弁護士費用特約に加入していると、大きなメリットがあります。

交通事故に遭ったときに弁護士費用特約を利用できるのであれば、必ず利用すべきです。

 

4.どんな場合に利用できるの?

それでは、弁護士費用特約は、どのようなケースで利用できるのでしょうか?以下で、順番に確認していきましょう。

4-1.弁護士費用特約が適用される場合とは?

多くの保険会社では、以下のような人やケースで弁護士費用特約を利用できると定めています。

被保険者

まず、自動車保険の被保険者は問題なく利用できます。

自動車保険を契約するときには、保険を受ける人という意味の「被保険者」を定めます。普通は契約者と同じ人にします。

被保険者の配偶者

夫や妻などの配偶者も弁護士費用特約を利用することができます。

そこで、自分が交通事故に遭ったとき、夫や妻が弁護士費用特約をつけていたら、それを使って無料で弁護士に対応を依頼することができます。

被保険者や配偶者の親族(同居している人)

保険の契約者や配偶者と同居している親族は、弁護士費用特約を利用することができます。

たとえば、息子と同居している母親が交通事故に遭ったとき、息子が自動車保険に弁護士費用特約をつけていたら、母親が特約を使って弁護士に依頼することができます。

子どもが交通事故に遭った場合も同じです。

被保険者や配偶者の別居の子どもで、未婚のケース

自動車保険の被保険者やその配偶者の子どもは、同居していなくても親の自動車保険を利用できる可能性があります。

別居の子どもの場合、利用できるのは未婚の場合に限られるので、既婚の場合には利用できなくなります。

契約自動車に搭乗していた人

自動車保険に加入するときには、「契約自動車」を指定します。

どの自動車に保険をかけるか、ということです。

そして、その契約自動車に乗っていて事故に遭った人は、誰でも弁護士費用特約を利用することができます。

たとえば、友人の車に乗っていて事故に遭ったときには、友人が弁護士費用特約をつけていると、それを使って弁護士に依頼できるということです。

契約自動車の所有者

ときどき、自動車保険の契約者と契約自動車の所有者が異なるケースがあります。

たとえば、自分が人の名義の車を使わせてもらっているときに、自分が自動車保険に加入するケースなどです。

このとき、契約自動車が交通事故に遭ったら、車の所有者自身も弁護士費用特約を利用することができます。

4-2.具体的に弁護士費用特約を利用できるシーンは?

以上を踏まえて、具体的にどのようなシーンで弁護士費用特約を使うことができるのか、ご紹介します。

歩行中や自転車に乗車中の事故

弁護士費用特約を利用できるのは、自動車に乗っていたときの事故には限りません。

歩行中や自転車に乗っていたときに、車にはねられた場合などでも弁護士費用特約を適用してもらうことができます。

このとき、自分の特約だけではなく、配偶者や親、子どもなどの家族の弁護士費用特約を利用できる可能性もあります。

友人の車に乗っていたとき

友人の車の例

自動車保険というと、自分の自動車にしか適用されないものだと思われがちですが、友人の車などの他人の車に乗っていて事故に遭ったときにも、弁護士費用特約を利用することができます。

自分が自動車保険に加入していなくても、友人が弁護士費用特約をつけていたら、それを利用することができるケースがあります。

バス、タクシーに乗っていたとき

バスやタクシーなどに乗車していて事故に遭ったときにも、弁護士費用特約を利用できる可能性があります。

自分が自動車保険に加入していたらその特約を使えますし、バス会社、タクシー会社が弁護士費用特約をつけていたら、それらを利用できる可能性もあります。

レンタカーを利用していた場合も同じです。

4-3.家族の弁護士費用特約を忘れない!

弁護士費用特約は、自分の自動車保険だけではなく家族が加入している自動車保険についていることも多いです。

夫や妻だけではなく、同居の親族なら親や子どもなどでも弁護士費用特約を利用できますし、子どもなら、別居していても未婚である限り、親の弁護士費用特約を利用できます。

特に、親と別居している場合に交通事故に遭ったら、わざわざ親に連絡をして「弁護士費用特約をつけてる?」と確認することは少ないでしょう。

しかし、せっかく利用できるのに使わないのは非常にもったいないので、交通事故に遭ったら必ず周囲の親族に自動車保険への加入状況を聞いて、利用できるならば自動車保険会社に連絡をして、利用させてもらいましょう。

 

5.利用ができないケースはあるの?

このように、非常に便利な弁護士費用特約ですが、中には利用が認められないケースもあります。

5-1.弁護士費用特約が適用されないケース

自動車保険会社は、以下のようなケースで弁護士費用特約を利用できないとしています。

  • 被保険者の故意または重過失による損害
  • 無免許運転や薬物などによって正常に運転できない場合や酒気帯び運転などのケース
  • 闘争行為や自殺、犯罪行為による事故
  • 次の人に損害賠償請求をする場合には、弁護士費用特約が適用されません
    被保険者や配偶者、父母や子ども
    契約自動車の所有者
  • 台風、洪水、高潮などの災害による損害
  • 被保険者が所有、使用していたものの欠陥やさびなどの消耗によって発生した損害
  • 正しく乗車位置に乗車していなかったケースや、危険な方法で乗車していたケース
  • 日常生活の事故など、自動車と関係のない事故

上記を見るとわかりますが、弁護士費用特約は、被害者に大きな過失があると利用できなくなることがあります。

たとえば飲酒運転や無免許運転などがあると特約が適用されないので、このような危険な運転は絶対にしてはいけません。

また、自動車事故ではない場合にも適用されません。

日常生活で転倒してケガをした、などの場合には、自動車保険の弁護士費用特約を利用することはできないので、覚えておくと良いでしょう。

5-2.被害者に過失があっても利用できる?

弁護士費用特約の適用について、「被害者に故意または重過失があると、利用できない」と定められています。

ここで、「被害者に過失があったら特約を利用できなくなる」と思われていることがあります。

しかし、そのようなことはありません。被害者にある程度の過失があっても、特約の適用を認めてもらうことができます。

たとえば、被害者の過失が30%や40%などであっても、弁護士費用特約を適用してもらうことは十分にできます。

そこで、交通事故の被害に遭ったら、基本的に自動車保険会社に連絡を入れて、弁護士費用特約を利用したいと伝えると良いです。

 

6.弁護士は自分で選べるの?

弁護士は選べるのか

弁護士費用特約でよくある誤解ですが、弁護士を自分で選ぶことができないと思われていることがあります。

しかし、弁護士費用特約を利用しても、依頼する弁護士は自分で選ぶことができるケースがほとんどです。

保険会社にもよりますが、「基本的に弁護士の紹介は行っていないので、自分で弁護士を探して下さい」という会社もあります。

ただ、中には稀ですが、「基本的に紹介した弁護士に依頼して下さい」と言われるケースもあるので、まずは加入している自動車保険会社に確認してみましょう。

 

7.弁護士費用特約を利用するメリットは?

弁護士費用特約を利用すると、メリットがたくさんあるので、ご紹介します。

7-1.費用を気にせず弁護士に相談できる

まずは、費用を気にせずに弁護士に相談できることが大きなメリットです。

交通事故に遭うと、わからないことが非常に多いです。

いつまで病院に通ったらいいのか、いつから示談交渉を開始するのか、慰謝料はどのくらいもらえるのかなど、聞きたいことがたくさんあって不安になります。

自分のとっている対処方法が合っているかどうかを確認したいこともあるでしょう。

こんなとき、気軽に弁護士に相談したり、相手の保険会社との交渉を依頼できたりするととても安心できます。

弁護士費用特約を利用できる場合には、弁護士費用のことを気にしないで良いので、非常に便利です。

7-2.弁護士基準で計算してもらえるので、示談金が大きく上がる

弁護士に示談交渉を依頼すると、被害者が自分で示談交渉をするよりも大きく賠償金が上がります。

被害者が自分で示談交渉をすると、低額な任意保険基準や自賠責基準で賠償金を計算されてしまいますが、弁護士が対応すると、高額な弁護士基準で計算されるためです。

途中まで自分で示談交渉をしていたけれども、弁護士に対応を依頼すると、とたんに賠償金が2倍、3倍にアップするという事例も普通にあります。

弁護士特約を使って弁護士に示談交渉の対応をしてもらったら、それだけで大きく賠償金が上がるので、メリットは大きいです。

7-3.示談金がアップした分が全部自分の利益になる

示談交渉を弁護士に依頼して示談金がアップしても、普通に自分で弁護士を雇ったら、弁護士費用は自分で支払わないといけません。

そこで、獲得した示談金の一部は弁護士費用として消えてしまうことになります。

これに対し、弁護士費用特約を利用すると、保険会社が弁護士費用の支払をしてくれるので、受けとった示談金を全額自分のものにすることができます。

7-4.事故によってかかる精神的な負担を軽減できる

交通事故の被害者は、大きな精神的ストレスを抱えるものです。

突然事故に巻き込まれたという非日常の出来事だけでも精神的な負荷になりますし、その後通院治療が必要になったり、それまでのように仕事ができなくなってしまったり、日常生活でもいろいろと支障が発生してきたりすることもあります。

このようにストレスがかかる中で、相手の保険会社との示談交渉まで行わないといけないことは大きすぎる負担となります。交通事故の被害者には、うつ病になってしまう人も多いです。

ここで弁護士に対応を依頼すると、少なくとも相手との示談交渉についてはすべて任せることができます。

また、法律のプロが味方になってくれているという安心感もあります。

そこで、弁護士費用特約を使って弁護士に依頼すると、精神的負担を軽減できる点も、無視できないメリットです。

 

8.弁護士費用特約にデメリットはある?

それでは、弁護士費用特約にデメリットはあるのでしょうか?

8-1.保険料が上がる

弁護士費用特約に、デメリットらしいデメリットは、ほとんどありません。

特に、特約の「利用」に際してのデメリットは0と言っても良いです。

問題があるとすれば、弁護士費用特約をつけるときの保険料くらいです。

弁護士費用特約をつけると、年間1300円くらい、自動車保険料が上がります。もし1年間交通事故に遭わず、弁護士費用特約を使わなければ、無駄になるお金です。

しかし、そんなことを言い出したら、自動車保険自体が無駄だという話になってしまいます。

大きな補償を受けられるのですから、年間1300円程度の負担なら、むしろ安いとも考えられるでしょう。

保険料アップのことを、「デメリット」として大きく取り上げる必要はないと言えます。

 

9.弁護士費用特約を使っても等級は下がらない

「弁護士費用特約を使うと、保険の等級が下がるのでは?」という疑問を持つ方もたくさんおられます。

これについては、ときどき誤解されていることがあるのですが、「特約の利用によって、保険等級が下がることはありません」。

交通事故で自動車保険を利用したとき、すべてのケースで等級が下がるわけではないのです。

自動車保険の等級が下がるのは、対人対物賠償責任保険を利用したときや、車両保険を利用したときなどです。

搭乗者傷害保険や人身傷害補償保険を利用したときには等級は下がりませんし、弁護士費用特約を利用したときにも、等級が下がることはありません。

このように、翌年度に保険料が上がる心配は要らないので、安心して特約を利用しましょう。

 

10.弁護士費用特約を利用すべきケースとは?

基本的には、弁護士費用特約を利用できるならどのようなケースでも利用すべきなのですが、特に利用をお勧めしたいケース(=利用が必須のケース)があるので、ご紹介しておきます。

10-1.小さな物損などの事故

物損事故

意外かもしれませんが、物損事故などの小規模な事故の場合には、むしろ弁護士費用特約を利用すべきです。

まず、小さな事故であっても弁護士がいるのといないのとでは、結果が異なってくることが多いです。

物損事故では、修理費用の計算方法や代車費用、評価損など、物損でも意外といろいろな損害が発生して、争いになることがあります。

このようなとき、被害者が自分で対応していると、「少額だし、ケガもしていないからもういいや」と諦めてしまうことが多いです。

このようなとき、弁護士に対応を依頼できたら、法的な知識を駆使して相手と交渉をして、適切に、より高額な支払いを受けることができる可能性もあります。

ただ、小規模な事故の場合、争いになっている金額自体が小さいので、たとえもらえたとしても数万円程度にしかなりません。

弁護士に依頼すると、それだけで最低10万円はかかるので、むしろマイナスになってしまう可能性もあります。

もし、弁護士費用特約を利用できたら、弁護士費用についてはすべて特約から支払ってもらえるので、自分としてはアップした示談金の利益をそのまま受けとることができます。

そこで、小さな事故でこそ、むしろ弁護士費用特約のメリットが生きてくるのです。

10-2.相手方が無保険

交通事故では、相手に保険会社がついていたら、示談交渉によって決まった賠償金は、必ず支払われます。

また、保険会社が示談交渉をせずに逃げてしまうということもありません。

しかし、事故の相手が保険に加入していないこともあります。

この場合、相手に支払い請求をしても、賠償金の支払を受けられないリスクが高いです。

相手が示談交渉に応じないで逃げてしまうこともありますし、示談交渉がスムーズに進まずにいつまでも支払いを受けられないことも多いです。

相手に裁判をして判決によって支払い命令が出ても、本人に資力がなかったら差押えもできないので、結局支払が0になってしまうこともあるのです。

弁護士を使うと相手を追及することは可能になりますが、弁護士費用が最低10万円程度はかかりますし、訴訟になったら実費を含めてより高額な費用がかかります。

そこで相手が無保険の場合、リスクを冒して弁護士に依頼するのは辞めておこうという人が多いのです。

このようなとき、弁護士費用特約を使ったら、必要な弁護士費用や実費などはすべて保険会社が負担してくれるので、相手から支払いを受けられないリスクを心配する必要がありません。

支払いを受けられたらその分全額自分のものになりますし、たとえ支払いを受けられなくても損にはならないので、メリットがあります。

10-3.賠償金が高額になる事故

死亡事故や重傷を負ったケースなど、賠償金が高額になる事故でも、弁護士費用特約を是非とも利用すべきです。

賠償金が高額になるケースでは、弁護士を入れることによる利益部分(示談金がアップする部分)が大きくなるためです。

たとえば、被害者が自分で交渉をしているときには3000万円の示談金だったケースでも、弁護士に依頼すると4000万円や5000万円になる可能性があります。

もちろんその分弁護士費用はかかるのですが、300万円までは弁護士費用特約で補填されますし、得られる利益が大きくなるので、弁護士費用特約の限度額を超える部分については自分で支払をしても、十分にメリットを受けることができます。

10-4.被害者の過失が0のケース

交通事故の被害者は、自分の過失割合が0の場合に示談交渉で不利になるおそれがあります。

そのようなことを言われると、「過失割合が0なら、過失相殺されないから、賠償金が高くなるんじゃないの?」と疑問を感じる方もおられるでしょう。

確かにそれはそうなのですが、被害者の過失割合が0のときには、自分の保険会社が示談交渉を代行してくれないことが問題です。

交通事故に遭ったとき、自分の保険会社が示談交渉をしてくれるのは、自分にも支払い義務があるためです。

自動車保険の中でも、対人賠償責任保険や対物賠償責任保険に加入している場合、交通事故で発生した相手の損害を、自分の保険会社に賠償してもらうことができます。

この場合、自分は「被害者」ではなく「加害者」的な立場です。

そこで、保険会社は、示談交渉の結果に応じて相手に賠償金を支払わなければなりません。その意味で、保険会社は示談交渉に利害関係をもちます。

ただ、この理屈は、被害者に一定の過失がある場合にしかあてはまりません。

被害者が完全に無過失なら、被害者は相手に賠償金を支払う必要はないのですから、加害者的な側面がなく、被害者の損害保険会社は相手に対して賠償金を支払うことがありません。

そこで、自動車保険会社にとって、示談交渉は全くの他人事ということになるので、示談交渉を代行することができないのです。

この場合、被害者は完全に1人で相手の保険会社と示談を進めていかなければなりません。

直接相手の保険会社の担当者と電話などをしてやり取りしないといけませんし、相手から何らかの提案があったときにも、それが妥当かどうかなど、すべて自分で判断しないといけません。

さらに、相手に対して反論したいときにも、どのように反論したら良いのか、法的な根拠などをすべて自分で調べないといけないのです。

このようなことは、被害者にとって負担が大きすぎます。

そこで、弁護士費用特約を利用して、弁護士に入ってもらい、示談交渉や裁判などの対応をしてもらうことが役に立つのです。

 

11.弁護士費用特約を利用する方法

最後に、弁護士費用特約を利用する方法について、ご説明します。

この場合、まずは自動車保険会社に連絡をして、担当者に弁護士費用特約を利用できるかどうかを尋ねます。

そして、利用できるということであれば、利用したい旨を伝えます。

自分で弁護士を探すのであれば、「後ほど弁護士から連絡をしてもらいます」と言って、担当者の連絡先を聞きます。

その上で、弁護士に相談に行き、弁護士費用特約を使って受任してもらえるかを確認します。

OKということであれば、後は保険会社の担当者の連絡先を伝えたら、弁護士と保険会社がやり取りをして、手続きを進めてくれます。

依頼者は、そのまま普通に弁護士の相談を受けたり示談交渉を進めてもらったりしたらいいだけです。

弁護士費用特約を利用するとき、保険会社の同意も不要です。

 

まとめ

以上のように、交通事故に遭ったとき、弁護士費用特約を利用すると非常に有利になります。

自動車保険に加入するときには必ず弁護士費用特約をつけておくべきですし、事故に遭ったときには、必ず特約を利用できないか、あらゆる面から検討してみるべきです。

自分の保険だけではなく、家族や車の所有者などの保険の弁護士費用特約を利用できるケースもあるので、見逃さないようにそれぞれの自動車保険に問合せをしましょう。

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  • この記事を書いた人
陽子福谷

福谷 陽子(元弁護士)

元弁護士。平成16年より交通事故や離婚、債務の問題を多く取り扱う弁護士として活躍。平成19年4月陽花法律事務所を設立。現在は、体調不良により、法律問題をわかりやすく解説するライターとして活躍中。

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