交通事故の対処方法

交通事故の加害者が知っておきたい正しい対処方法とは?

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交通事故を起こしてしまったら、被害者とは異なる対処が必要です。

適切な対応をしないと、重大な責任を負わされてしまう可能性もありますし、場合によっては裁判になって、懲役刑などの刑罰を受けることになってしまいます。

交通事故加害者となった場合、どのような対応をとればよいのでしょうか?

今回は、交通事故加害者となった場合に必ず知っておきたい正しい対処方法をご説明します。

 

1.交通事故直後の対応

交通事故を起こしてしまったら、まずはどのような対応をしたら良いのでしょうか?以下で、順を追って確認していきましょう。

1-1.必ず停車する

自動車を運転していて、他の自動車に追突してしまったり歩行者をはねたりしてしまい、加害者になったら気が動転してしまうものです。

「嘘でしょ?」「できればなかったことにしたい」などと考えてしまうこともあります。

しかし、一度起こってしまったことを、なしにすることはできません。

加害者になったら、必ず車を停車しなければなりません。

もし、止まらずに走り去ってしまったら「ひき逃げ」や「当て逃げ」になってしまうからです。

交通事故を起こしたら、必ず被害者を救護して事故防止措置をとり、警察を呼ばないといけません。

被害者がケガをしていたり死亡していたりするのに、無視して逃げると「ひき逃げ」です。この場合、道路交通法違反となり、10年以下の懲役または100万円以下の罰金になってしまうおそれがあります。

また、ひき逃げをすると、救護義務違反となるので、点数が35点加点されて、一気に免許取消になります。

また、相手の車に接触して傷つけてしまったときに、対応せず逃げると「当て逃げ」です。

この場合にも、やはり道路交通法違反となり、1年以下の懲役または10万円以下の罰金になる可能性があります。

そこで、事故を起こしたら、絶対にその場から逃げずに車を停車して、必要な対応をしなければなりません。

「後で戻ってくる」ことも認められないので、注意が必要です。

いったん走り去ってしまった以上、加害者が果たすべき義務を果たさなかった事になるので、その後自主的に戻ってきたとしても修正することはできないからです。

1-2.被害者を救護する

事故現場で車を停めたら、一番にすべきことは、被害者の救護です。

できる限りの応急処置を行い、道の真ん中に被害者が倒れている場合などには、安全な場所に移しましょう。

自分一人で動かせない場合には、周囲の人にも手伝ってもらうと良いです。

また、被害者のケガの状態によっては、動かすと危険なこともあります。

その場合には、そのままの大勢にしておいて、早めに救急車を呼びましょう。

このような被害者の救護義務は、道路交通法によって定められた加害者の義務です。

救護をしないことによってもやはり罰則が適用されるので、けが人がいたら、必ず救護を行うべきです。

1-3.事故防止措置をとる

交通事故現場は、自動車の破片や被害者が所持していた物品、バイクや自転車などが散乱していることがあります。

また、車や人通りの多い場所で事故が起こったというケースもあるでしょう。

その状態で放置していると、後続車が事故に気づかずに走行してきて、急ブレーキをかけて2次被害などが発生するおそれが高いです。

そこで、事故の加害者には、「事故防止措置」をとる義務があります。

具体的には、現場に散らかっている飛散物などを片付けて、三角表示板や発煙筒を出して、後続車に事故が起こったことを知らせます。

このような事故防止措置をとることも、道路交通法に定められた加害者の義務です。

1-4.警察に通報する

加害者は、警察に通報する義務も負います。

警察を呼ばない場合にも、やはり道路交通法違反となり、ひき逃げと同じ罰則の適用があります。

ときどき、加害者は、事故が大事になるのをおそれて警察を呼ばないことがありますが、そのようなことをすると、かえって自分の首を絞めるおそれもあるので、絶対にしてはいけません。

被害者に対し「警察を呼ばないでほしい」などと頼むこともNGです。

事故を起こしてしまったからには、必要な責任をとる覚悟をすべきです。

自分から警察を呼ばなくても、被害者が警察を呼ぶことが予想されるので、そのようなことをさせないよう、進んで警察に連絡を入れましょう。

 

1-5.実況見分に立ち会う

警察が来たら、「実況見分」に立ち会う必要があります。

実況見分とは、警察が事故現場において、事故状況を確認する手続きです。

通常、被害者と加害者の両方が立ち会いをしますが、被害者が救急車で運ばれたり立ち会える状態では無かったりする場合には、加害者のみが立ち会います。

実況見分の際、加害者は警察に事故状況を説明することになります。

このときの説明内容は、後に加害者が刑事事件になったときに、大きな影響を持ちます。

実況見分が行われたら「実況見分調書」が作成されます。

これは、加害者の刑事事件の証拠として使われるものなので、加害者に不利な内容が書かれていると、刑事裁判で罪が重くなってしまうおそれもあります。

そこで、実況見分調書に立ち会うときには、適当な応対をせず、事故の状況を正確に伝えましょう。

一旦停止をしたのかどうか、どのくらいのスピードを出していたのか、前方や側方をきちんと確認したのかなどが問題になる可能性があるので、慌てずよく思い出して話をしましょう。

1-6.被害者の連絡先を聞く

被害者がすぐに救急車で運ばれたようなケースでは無理なのですが、被害者がその場にいるときには、連絡先を交換しておきましょう。

被害者がケガをしている場合には、御見舞などにも行くべきですし、保険会社に相手の保険会社を報告する必要もあるためです。

最低限、氏名と住所、電話番号と加入している保険会社(自賠責及び任意保険会社)を聞いておきましょう。

1-7.保険会社に連絡を入れる

実況見分が終わったら、身柄を拘束されない限り、帰宅することができます。

このとき、早めに自分の加入している自動車保険に連絡を入れることが大切です。

交通事故を起こしたら、被害者に対して賠償金の支払をしなければなりませんが、自動車保険に加入している場合、基本的には任意保険会社に示談を代行してもらいます。

そこで、事故が起こったことと被害者の氏名、被害者が加入している保険会社名を、自分の保険会社に報告しましょう。

すると、保険会社の担当者が決まり、その後はその担当者を通じて被害者と話合いを進めていくことになります。

1-8.病院に行く

加害者であっても、自分がケガをしてしまうことがあります。

また、相手が自動車であった場合などには、むちうちなどの症状が出ることもあります。

その場合には、事故後、すぐに病院に行くべきです。

加害者であっても、相手の過失割合の分は被害者の立場となるので、ケガをしていたら、その分の賠償金支払請求をすることが可能だからです。

もし、病院に行かなければ、交通事故によってケガをしたことを証明できないので、相手に対し、治療費や慰謝料などの請求ができなくなります。

交通事故を起こした直後は、興奮状態になっているので痛みなどを感じにくいことがあります。

まして、自分が加害者の場合、自分がケガをしたとは思いつきにくいこともあるでしょう。

しかし、事故時に身体に衝撃を受けていたら、念のために病院を受診しておくべきです。

2.飲酒している場合の注意点

加害者が飲酒しているケースがあります。

近年、飲酒運転に対する厳罰化がすすんでいるので想像がつくと思いますが、飲酒した状態で事故を起こすと、大変大きな問題が発生します。

2-1.飲酒事故の運転免許の点数

まず、運転免許の点数が大きく上がります。

具体的には、どのくらいのお酒を飲んでいたかによって、違反点数が異なります。

まず、お酒の影響で正常な運転ができなくなっている「酒酔い運転」の場合には、点数は35点加算です。

いきなり免許取消になり、欠格期間が3年になります。

それに至らない場合でも、呼気検査で0.25mg以上のアルコールが含まれている場合の酒気帯び運転では、点数は25点加算されます。いきなり免許取消になり、欠格期間が2年となります。

呼気検査の結果が0.15mgから0.25mgの場合の酒気帯び運転では、13点が加算されます。この場合、免許停止90日です。

ただし、人身事故を起こすと、これに足してさらに点数が加算されるので、実際にはもっと重い処分になります。

2-2.飲酒事故の刑事罰

次に、飲酒運転をして人身事故を起こした場合の刑事罰を確認しましょう。

道路交通法に定められている刑罰

まず、飲酒運転をしていると、道路交通法違反となり、罰則が適用されます。その内容は、以下のとおりです。

酒酔い運転の場合には、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。

酒気帯び運転の場合には、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。刑事罰に関しては、運転免許の点数とは異なり、アルコール含有量に関わらず同じ処罰内容です。

ただし、これは、単に飲酒運転をしただけの刑罰です。

飲酒した状態で人身事故を起こしたら、さらに大きな罪が課されます。

自動車運転処罰法に規定されている刑罰

飲酒した状態で人身事故を起こすと、自動車運転処罰法という法律によっても処罰を受ける事になります。

具体的には、アルコールの影響によって正常な運転ができないという酩酊状態で運転をすると、危険運転致死傷罪が成立してしまいます。

危険運転致死傷罪とは、故意に近いほどの重大な過失によって交通事故を起こした場合に成立する罪ですから、その刑罰は非常に重いです。

被害者がケガをした場合でも15年以下の懲役刑、被害者が死亡すると1年以上の有期懲役となってしまいます。

また、酩酊状態にはなっていなくても、酒気帯び状態で運転して人身事故を起こしたら、過失運転致死傷罪という罪が成立します。

過失運転致死傷罪の刑罰は、被害者が死亡した場合でもケガをした場合でも同じで、7年以下の懲役または禁固刑もしくは100万円以下の罰金刑です。

さらに、お酒が入った状態で人身事故を起こした場合で、お酒が抜けるまで逃げて、飲酒運転をごまかそうとした場合などには、「アルコール発覚免脱罪」という罪が成立してしまいます。この場合、12年以下の懲役刑となり、やはり罪が重くなります。

飲酒運転は絶対にすべきではありませんが、万一そのようなことがあった場合には

  • 逃げない
  • 誤魔化さない
  • きちんと対応する

ことが最も重要です。

逃げたり誤魔化そうとしたりすると、アルコール発覚免脱罪やひき逃げなどになって、どんどん刑が加重されてしまいます。

交通事故では、逃げようとしてもそう簡単に逃げ切れるものではないので、お酒を飲んで事故を起こしてしまった以上、覚悟を決めて責任をとりましょう。

3.事故現場でのNG行動

事故の加害者が、交通事故現場で絶対にとってはいけない行動というものがあります。そこで以下では、事故現場での加害者のNG行動を説明していきます。

3-1.逃げる、警察を呼ばない

まず、逃げることと警察を呼ばないことです。これらについてはもう何度も説明をしているので詳細は不要でしょうけれど、とにかく加害者の責任が重くなるだけの行動です。

運転免許の点数も上がりますし、刑事罰も重くなります。

実際に、逃げても結局は捕まる可能性が高いです。

被害者や目撃者によって、車の特徴やナンバーを覚えられてしまうためです。

たとえば、死亡事故に限って見ると、ひき逃げ事案の90%以上が検挙されています。

このように、逃げてもリスクが上がるだけなので、交通事故を起こしたら、絶対に逃げずに警察を呼ぶことが重要です。

3-2.その場で示談する

交通事故の加害者がやってしまいがちなNG行動に、「その場で示談する」ということがあります。

特に、運送業者やタクシー運転手などは、警察が対応することによって運転免許の点数が上がると、免許停止や取消などになって仕事ができなくなるため、被害者に頼み込んで「この場で〇〇円支払うから、警察を呼ばずに示談したい」などと言ってしまいがちです。

しかし、その場で示談をすることは、加害者にとっても危険です。

まず、警察を呼ばないこと自体が違法なので、その責任を問われる可能性があります。

また、そのときには被害者が納得していても、後になって「やっぱり安すぎる」などと言われて追加の賠償金を請求されるおそれがあります。

しかし、警察を呼んでいなければ、保険会社が対応してくれないので、自分で被害者と話し合うことになってしまいます。

被害者が、ややこしそうな人の場合には、大きなトラブルに発展してしまうおそれもあるのです。

示談書を作っていたら安心なはず、と思うかもしれませんが、それでも万全ではありません。

素人がその場で作成した示談書には不備がある可能性もありますし、示談書が無効になったら、結局支払をしなければなりません。

また、事故当時には予測できなかった後遺障害が残ったということになると、やはりその分は賠償請求されてしまう可能性があります。

そして、このようにトラブルが拡大してきたら、事故が起こったことを隠し通すことは困難となり、結局免許の点数が加算されたり刑事罰を受けたりすることになります。

このように、その場で示談をしても、事故による責任を免れることはできないので、無駄なことは辞めておきましょう。

3-3.念書を差し入れる

交通事故現場で加害者がやってしまいがちなNG行動の1つとして、「念書を差し入れる」というものがあります。

事故現場で被害者が激怒するなどして、「『賠償金を〇〇円払います』と書いて、署名押印しろ!」などと言って迫ってくることもあります。

このような勢いに気圧されて、書面を差し入れてしまうこともあるのですが、そのようなことをすると非常に大きな危険があります。

まず、被害者の要求した金額が過大かもしれません。その場合、本来であれば、念書に記載したほどの金額を支払う必要はないということです。

しかし、念書によって約束をしてしまったら、加害者は「約束したのだから払え!」と言ってくるでしょう。

そうすると、加害者としては、念書を差し入れているので、断れなくなってしまいます。

また、通常自動車保険に加入していたら、自動車保険会社が加害者の代わりに賠償金の支払について、示談交渉を代行してくれますし、確定した賠償金については、保険会社が支払ってくれます。

しかし、加害者が勝手に念書を差し入れて支払の約束をしてしまった場合、保険会社は支払いを断る可能性が高いです。

すると、被害者への賠償金を、加害者が自腹で支払わないといけなくなってしまいます。

このように、その場で念書を差し入れて支払の約束をしてしまったら、後に大きな不利益を受けることになるので、被害者から強く差し入れを求められても、必ず断りましょう。

「申し訳ありませんが、賠償員支払については保険会社に任せますので、そちらでご対応下さい」と言って、押し切ることが大切です。

3-4.お金を払う

加害者が、交通事故現場で被害者にお金を払ってしまうことがあります。

被害者に求められることもありますし、加害者が「気の毒」などと思ってお見舞い金を渡してしまうこともあるでしょう。

しかし、このようにお金を渡す行動はNGです。

そもそも、そのお金がどのようなものなのかが明らかになりません。

加害者側としては、示談金のつもりで支払うかもしれませんが、被害者は、「単なるお詫びのお金」と考えて、賠償金に含めて考えないかもしれません。

すると、その後、賠償金については別途支払が必要になり、加害者の意図とは外れてしまいます。

また、自動車保険に加入している場合被害者への賠償金は、自動車保険から支払ってもらうべきなのです。

そのために、保険料を負担して自動車保険を毎年更新しています。

それなのに、その場でお金を渡してしまっては意味がありません。

自動車保険に対し「あのとき被害者に〇〇円支払ったから、その分を被害者に払うお金から減額し、私に返して下さい」などと言っても、通るはずもありません。

また、加害者が支払い済みのお金を被害者への示談金から差し引くかどうかが問題となり、示談がこじれる原因になってしまうおそれもあります。

よかれと思ってその場でお金を渡しても、余計に問題がこじれるだけです。

このようなことはせず、お金の問題は完全に保険会社に任せてしまう姿勢を持ちましょう。

4.被害者の御見舞に行くべきか?

4-1.御見舞に行っておこう!

加害者が気になる対応として、被害者への御見舞に行くべきか?という問題があります。

これについては、YESです。

保険会社が賠償金についての対応をしてくれるからと言って、加害者の責任がなくなるわけではありません。加害者の態度に反省が見られないと評価されたら、慰謝料が増額されるケースもあります。

そこで、重傷や死亡のケースはもちろんのこと、被害者のケガの程度が軽くても、必ず事故が起こってから間もない頃に、一度御見舞に行きましょう。

このとき「被害者が怒っているから御見舞に行かない」という人がいます。

「言っても追い返されるに決まっている」とか「かえって感情を害する」と言って、御見舞を避ける人もいます。

しかし、被害者は、加害者が何をしても怒るのです。御見舞に行かなかったら「見舞いにも来ないなんて、何という非常識な人だ!」「不誠実すぎる!」と言って怒るでしょう。

しかも、その場合に悪者になるのは「御見舞にも行かない、非常識な加害者」の方です。そこで、被害者に嫌がられても追い返されても、加害者としては誠意を見せるべきです。

「相手が怒っているから」というのは、御見舞を避ける口実にはなりません。

4-2.御見舞に持っていくもの

被害者に御見舞に行くときに気になるのが、「何を持っていくべきか」ということでしょう。

この場合、現金は基本的にNGです。

現金を渡すと、そのお金が賠償金の一部になるのかどうかがわからなくなり、混乱が発生するからです。

また、被害者からしてみると、「そんな金額で済ますつもりか!」と受け止めて、かえって感情を害する可能性もあります。

そこで、御見舞をするときには、基本的に「菓子折」などを持っていくようにしましょう。

のしは不要です。

花を持っていくときには、縁起の悪いものを持っていかないように、花選びに注意しましょう。

 

4-3.葬儀に参列するときの注意点

死亡事故を起こしたら、被害者の葬儀に参列すべきかどうか、迷われる加害者が多いです。

葬儀についても、基本的に出席すべきです。葬儀に顔を見せることは、加害者の誠意を示すことだからです。

相手は、「来るな」と言うかもしれませんが、加害者の方から「行かなくて良い」と決めるべきではありません。

とにかく、いったんはお香典を用意して、葬儀場所に行きましょう。

被害者の遺族からは「よく来られたな。

どんな神経をしているんだ?」「どの面下げて来ているのか?」などと責められるかもしれません。

中に入れてもらえず追い返されるかもしれませんが、お香典は持ち帰るのではなく、置いて帰るようにしましょう。

被害者の遺族が受けとってくれなければ、その場にいる他の親族などを通じて渡してもらいましょう。

 

5.刑事事件になった場合の対応方法

交通事故の中でも、特に人身事故を起こすと、加害者が刑事事件の被疑者や被告人になってしまうことがあります。

その場合、適切な大法方法を知っておく必要性が高いので、以下で説明します。

5-1.2種類の刑事手続き

まず、刑事手続には2種類あることを押さえておきましょう。具体的には、在宅捜査と身柄捜査です。

在宅捜査とは、被疑者の身柄を拘束しない状態、自宅で過ごせる状態のまま、警察が捜査を進める方法です。

身柄捜査とは、被疑者を警察の留置場に拘束しながら、警察が捜査を進める方法です。交通事故の場合、このどちらの手続きになる可能性もあります。

ひき逃げをした場合などには、逮捕勾留される可能性が非常に高くなります。

死亡事故などの重大な結果が発生した場合、飲酒運転していたケースなどでも、やはり身柄拘束をされやすいです。

5-2.在宅捜査(在宅事件)になったときの対処方法

在宅事件になった場合には、家で普通に生活することができるので、日常への影響はほとんどありません。

仕事も普通にできますし、勤務先にも事故や刑事事件のことを知られるおそれはありません。

ただ、在宅であっても捜査は進んでいるので、いずれかのタイミングで、検察官から呼出をされて、取り調べを受けることになります。

その後検察官の判断により、起訴されるか、不起訴になります。

起訴されたら刑事裁判になりますし、不起訴になったらそのまま無罪放免です。

起訴される場合でも、必ずしも法廷で審理が行われるわけではなく、多くのケースで「略式裁判」という裁判の方法が選択されます。

これは、書類上だけで簡単に審理をする方法です。

略式裁判になった場合には、一度も裁判所に行くことがないまま、自宅に届いた罰金の納付書を使って罰金を支払ったらすべての手続きが終わります。

略式になった場合、加害者は「裁判になった」「前科がついた」という意識を持ちにくいのですが、略式裁判も刑事裁判の1種ですし、罰金も前科の1つなので、その点はしっかり意識しておくべきです。

5-3.身柄事件になったときの対処方法

次に、警察に拘束されて身柄事件になった場合の対処方法を考えてみましょう。

この場合、身柄拘束されるために、家に帰ることはできませんし、会社に行くこともできません。身柄拘束は、最低10日、長くて23日間程度続きます。

その間、家族とも自由に面会できませんし、留置場内での不便な生活に耐えながら警察官による取り調べに堪えないといけないので、被疑者には大変な負担がかかります。

早期に身柄を解放してもらうためにも、弁護士に対応を依頼することが必須です。

弁護士は、被害者との示談を進めたり、検察官と交渉をしたりして、速やかに身柄が解放されるための活動をしてくれます。万一起訴されてしまった場合にも、すぐに保釈手続きをしてくれるので、身柄が解放される可能性が高まります。

そこで、交通事故後逮捕勾留されてしまったら、すぐに弁護士を探して接見に来てもらいましょう。

留置場内からでも「当番弁護士」(逮捕勾留されている被疑者が一回だけ弁護士を無料で呼ぶことができる制度)を呼ぶことができますし、家族に、インターネットで弁護士を探してもらうこともできます。

身柄事件の場合、勾留が長びくと会社に知られることになりますし、場合によっては会社勤務を続けられなくなるおそれもあります。

早めの対応が命なので、家族が身柄拘束されたら、とにかく早めに交通事故や刑事事件に強い弁護士に対応を依頼しましょう。

 

まとめ

今回は、交通事故の加害者が知っておきたい正しい対処方法をご説明しました。

加害者には、事故現場で対応しなければならない道路交通法上の義務がたくさんあります。

また、事故現場でしてはいけないNG行動もあります。

被害者の御見舞の際にも注意事項がありますし、刑事事件になってしまったときには、適切に対応しないと、会社勤務を続けられなくなるなど、大きな不利益を受けるおそれがあります。

今回の記事を参考にして、適切に対応を行い、加害者が受ける不利益を最小限に抑えましょう。



  • この記事を書いた人
陽子福谷

福谷 陽子(元弁護士)

元弁護士。平成16年より交通事故や離婚、債務の問題を多く取り扱う弁護士として活躍。平成19年4月陽花法律事務所を設立。現在は、体調不良により、法律問題をわかりやすく解説するライターとして活躍中。

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