交通事故の基礎知識

交通事故の相手がタクシー会社、トラック会社だと、示談がこじれる?

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タクシー
交通事故に遭ったら、普通は相手(加害者)の任意保険会社と示談交渉をして、賠償金の支払を受けることになります。

しかし、相手がタクシーやトラックの場合、そううまくいかないことが多いです。

タクシー会社やトラック会社は、タクシー共済やトラック共済という独自の共済を作って、交通事故に対応しているためです。

タクシーやトラックを相手に事故に遭ったら、十分な補償を受けられなくなる可能性があるので、要注意です。

今回は、相手がタクシーやトラックの場合の交通事故の問題点を解説します。

1.トラック事故の特殊性

タクシー相手の事故の場合、相手も一般の乗用車ですから事故の態様としては特殊性がありません。

当事者の前方不注視や脇見運転などが原因で、交差点などで接触事故が起こることなどが多いです。

これに対し、相手がトラックの場合には、事故の態様にも特殊性があります。

まずは、トラック事故でどのようなパターンが多いのか、知っておきましょう。

1-1.追突事故が多い

トラック事故では、圧倒的に追突事故の件数が多いです。

トラック事故全体の件数のうち、追突事故は半数以上を占めています。

次いで追い越し、追い抜き時の衝突、進路変更時の衝突、と続きます。

ここで注目すべきなのは、すべてのパターンが「当事者が同じ方向に進んでいる場合」だということです。

つまり、トラックが相手の場合、対向車や右折時左折時の事故などよりも、同じ方向に前進しているときに接触する可能性が高いということです。

一般車相手の場合、交差点での対向車間の事故なども多いので、事故態様が異なることがわかります。

死亡事故に限って見ても、やはり追突事故が多いです。

車両の種類としては、トラック同士の事故ではなく、トラック以外の普通乗用車などの事故の割合が高く、死亡事故全体の約3割にものぼっています。

1-2.追突事故が多い理由

それでは、トラック事故では、どうして追突事故が多いのでしょうか?

これは、トラックの制動距離が長いためです。

制動距離というのは、ブレーキを踏んでから実際に車両が停車できるまでの距離です。

制動距離は、車体が重くなるほど長くなります。

たとえば自転車はすぐに止まれますし、バイクも比較的すぐに止まれます。

普通乗用車になると急ブレーキを踏んでも止まりにくくなりますし、トラックの場合には、ブレーキを踏んでから相当走行しないと止まることができないのです。

そこで、トラック運転手が「危ない!」と感じてブレーキを踏んでも、すぐには止まれず前進してしまい、前の車両と衝突してしまうわけです。

トラックの場合、荷物を積んでいることが多いですが、たくさんの荷物を積んでいるトラックの場合、さらに重量が重くなって制動距離が長くなり、危険性が高まります。

1-3.トラック事故が多い日時と場所

トラック事故が多いのは、全体数では昼間の時間帯が多いのですが、死亡事故は夜間の方が多いです。

また事故が起こりやすい場所は、「単路」が多くて約半数程度になります。

次いで信号がある交差点上の事故となります。

このことも、結局トラック事故では追突事故が多いことと関係しているでしょう。

1-4.トラックが後ろから走ってきているときには要注意!

トラック事故では、トラックが普通自動車に追突して発生する事故が多いです。

加速時、発進時、等速で直進しているときなど、どのパターンでも事故は起こります。

そこで、自動車を運転しているとき、後ろにトラックが走っていたら要注意です。

十分に車間距離をとっていても、トラックは制動距離が長いので、何かあったときにトラックに追突されてしまうかもしれません。

トラックが後ろにいるなら、なるべく横に避けるなどして、離れた方が良いでしょう。

特に、夜間にトラック事故が起こるときには、死亡事故の危険性も高まります。

トラック運転手が過労で居眠りや不注意運転をしていることもあります。

トラック事故が起こったときに重傷や死亡などの重大な結果が発生するのは普通自動車のドライバーの方ですから、トラックの近くを運転するときには、十分注意しましょう。

 

2.トラック運転手が過労で居眠りをしているかも!

トラック普通、自動車を走っていて近くに他の自動車が走っているとき、自分も注意するのはもちろんですが、相手の方も交通事故を避けるための行動をしてくれることを期待するものです。

そこで、トラックが近くにいたら、当然トラックも事故を避けてくれると思うでしょう。

特に、トラック運転手は運転のプロですし、トラックという危険性の高い車を運転しているのだから、当然事故を避けるべき、と考えるかもしれません。

しかし、トラックが近くに走っているとき、「トラックの方が避けてくれるだろう」と考えるのは非常に危険です。

最近未払残業代の問題などもクローズアップされていますが、トラック運送業でも非常にサービス残業が多いです。

トラック運送業者は、経費削減のために少ない人員で仕事を回しているので、ドライバーに加重な負担をかけていることが多いです。

ドライバーが、夜通し運転をしたり、休みなしで長距離を運転したりしていることも普通にあります。

このことが原因で、ドライバーは過労状態になり、居眠りや不注意運転をしてしまいます。

また、早く仕事を終わらせるために、気持ちが焦って無謀な運転(スピードの出し過ぎなど)をすることもあります。

そこで、近くにトラックが走っているとき、トラック運転手が居眠りしていたり、気持ちが焦って無茶な運転をしてきたりする可能性も、十分にあります。

高速道路などでトラックがふらふら運転をしていたら、絶対に近づかないことです。

 

3.トラック会社は任意保険に加入していない?

トラックと交通事故に遭ったら、その後は誰と示談交渉をすることになるのでしょうか?

相手(加害者)が任意保険に加入していたら、その任意保険会社が示談交渉を代行するので、任意保険会社と示談を進めていくことになります。

しかし、トラック会社は任意保険に加入していないことがあります。

3-1.自家保険でまかなおうとする運送業者

トラック事業者は、大量のトラックを所有しています。

そこで、すべてのトラックについて保険に加入すると、莫大な保険料が必要となってしまいます。

特に、トラックをたくさん所有している大手のトラック事業者ほど、保険料は高額になります。

ただ、それだけの事故がすべて重大な事故に遭うかというと、そういうわけでもありません。

自動車保険というものは「何かあったときの保険」であり、実際には何もないことがほとんどです。

ということは、トラック事業者が多額の保険料を支払っても、大多数は実際に事故が起こることなく、無駄になってしまうことになります。

また、自動車保険には、「自賠責保険」があります。

自賠責保険は、強制加入の保険なので、トラック事業者でも必ず加入しなければなりません。

そして、自賠責保険に加入していたら、最低限の補償は自賠責から行われます。ラック事業者自身は、それを超過する分だけ負担したら良いのです。

ここまで言ったらおわかりになるかもしれませんが、結局、トラック事業者にとって、「任意保険に入るより、事故があったときに自賠責を超える費用を自社で負担した方が得」な状況が発生するのです。

特に、トラックを多く所持している大手のトラック業者の場合、この理屈が当てはまりやすくなります。

そこで、トラック事業者には、任意保険に加入せず、自賠責保険と自社による自己負担で、すべてをまかなおうとしているところがあります。

このように、トラック事業者が、自社内で交通事故の問題を処理することを、俗に「自家保険」と言ったりしています。

3-2.自家保険の問題点

トラック事業者が自家保険の場合、どのような問題点があるのでしょうか?

この場合、相手が保険会社のようにすんなり示談に応じない可能性があります。

トラック事業者は、事故の当事者ですから、任意保険会社以上に賠償金額を下げようとしてきます。

また、事故が起こったとなると、トラック事業者の評価が下がり、所轄の官公庁などから調査や指導を受けてしまうこともあります。

そこで、トラック事業者は、示談交渉に応じないことがあります。

たとえば「事故が起こっていない」と主張したり「こっちにも損害が発生しているからお互い様だ。賠償金は払わない」などと言ったりすることもあります。

また、示談交渉をするときにも、無茶な主張をされて賠償金を減額されることが多いです。

もともと、任意保険に入らずに経費を節約しようとするようなモラルの低い会社ですから、被害者に対して賠償金を支払わないことなど、何とも思いません。

そこで、損害賠償金を適当に計算されて、不当に安い金額を提示され「これで納得できないなら、支払はできない」などを言われてしまうこともあります。

また、「お金がないから支払えない」とか「営業状態が悪い。倒産してしまう」などと言われて、示談金を減額されることもあります。

さらに、相手がトラック会社の場合、示談が成立しても、その支払いを受けられないおそれもあります。

相手が任意保険会社の場合、示談が成立したら、約束した示談金は必ず支払われます。

これに対し、相手がトラック会社の場合、約束をしても、支払をせずに無視されることもありますし、相手が小さな会社の場合には、逃げられたり、実際に倒産されたりするおそれもあるのです。

このように、トラック事故で、トラック会社が任意保険に入っていない場合には十分注意が必要です。

この場合、適切に対応をしないと、被害者が重大な損害を被っているのに、十分な補償を受けられなくなる可能性が高くなります。

 

4.トラック共済とは?

はてなマークと男性トラック事業者は、任意保険に加入せずに自家保険にしていることもありますが、「トラック共済」に加入していることも非常に多いです。

トラック共済とは、トラック事業者が集まって、独自に作っている共済組合です。

共済とは、保険のようなもので、トラック事業者の場合、それぞれの会社が任意保険会社の任意保険に加入するのではなく、業界独自の保険制度を作っているということです。

トラック共済は、参加するトラック事業者によって運営されています。

共済に加入している事業者は、共済に対して掛け金を支払います。

そして、加入している事業者が事故を起こすと、トラック共済が、当事者に代わって示談交渉を行い、定まった賠償金の支払いをします。

ところが、トラック共済が相手の場合、普通の任意保険とは異なり、まともに示談交渉をすることが難しくなったり、十分な補償を受けることが難しくなったりすることがあるので、注意が必要です。

このことは、タクシー共済でも同じ問題があるので、後の項目でまとめて説明をします。

 

5.タクシー会社が相手の交通事故での補償

さて、タクシーが相手の交通事故の場合には、どういった補償が行われると思われますか?

5-1.タクシー会社は、任意保険への加入が義務

タクシーの場合、任意保険に加入していないということはありません。

タクシーは、任意保険への加入が義務づけられているためです。

ただ、任意保険では、「財産上の損害」については、30万円以下の場合に保険を適用しない、という免責条項をつけることができます。

財産上の損害とは、いわゆる物損のことです。

そこで、小さな物損事故の場合には、任意保険が適用されず、タクシー会社を直接の相手にすることとなる可能性があります。

5-2.タクシー共済とは

そうだとすると、人身事故や大きな事故の場合、タクシー会社の任意保険会社と示談交渉を進めることになるのでしょうか?

実際には、そうではないことが多いです。タクシー会社も、タクシー会社同士が集まって「タクシー共済」という独自の共済をつくっており、多くのタクシー会社はタクシー共済に加入しているからです。

タクシー共済の仕組みは、トラック共済と同じです。

それぞれのタクシー会社がタクシー共済に入って掛け金を支払い、事故が起こったときにはタクシー共済が対応します。

 

6.タクシー共済やトラック共済を作る理由

タクシー会社やトラック会社は、どうしてタクシー共済やトラック共済を作るのでしょうか?

それは、自分たちを守るためです。

トラック運送業者やタクシー業者は、多くの車両を所有しているため、すべてについて任意保険に加入すると、莫大な保険料がかかって負担になります。

そこで、独自の共済を作って掛け金も安くすることにより、加入している事業者の経費を削減することができます。

また、トラック事業者やタクシー業者は、所轄の官公庁による監督を受けます。

あまりに事故が多い場合や悪質な事故を起こした場合などには、指導を受けたり立入調査を受けたりします。問題があると、認可を取り消されてしまうかもしれません。

そこで、そのようなことのないよう、共済が被害者と話し合い、なるべく加入事業者が不利にならないように話をまとめてしまおうとするのです。

このように、タクシー共済やトラック共済は、完全に自分たちを守ろうとしているだけの団体です。

普通の任意保険会社は「被害者に対して十分な支払をするため」という被害者を保護する目的も持っていますが、タクシー共済やトラック共済の制度趣旨はこれとは全く異なります。

被害者が「相手が共済でも、共済は保険だから、きっと任意保険と同じように示談を進めて支払いを受けられるだろう」などと期待していると、とんでもないしっぺ返しを受ける可能性があります。

 

7.タクシー共済やトラック共済でよくある主張

示談交渉で、タクシー共済やトラック共済が相手の場合、どのような主張をされることが多いのでしょうか?

これらの共済は、加入事業者を守るために、以下のような主張をしてくることがあります。

  • そんな交通事故は起こっていない。
  • そっちの過失が100%だから、こちらには支払い義務は無い。
  • こっちの車も壊れて修理が必要になっている。差引が0円になるから、支払はしない。
  • 交通事故はあったけれど、程度が軽いから、ケガをしていないはず。
  • ケガは、交通事故と関係のない原因のものだろう。
  • そんなケガで、なぜ治療費がそんなにかかるのか?過剰請求している。

いかがでしょうか?

明らかに交通事故が起こって重傷を負い、治療を受けていても、平気で上記のような主張をされてしまうのです。

被害者としては、非常に驚いてしまうでしょうし、どうして良いかわからなくなることもあります。

7-1.タクシー共済、トラック共済が無茶な主張をする理由

タクシー共済やトラック共済は、任意保険会社のように、保険事業について、金融庁からの監督を受けているわけではありません。

一般の任意保険会社の場合、適切な対応をしていなければ、所轄庁から指導監督を受けることとなりますが、トラック共済やタクシー共済の場合、保険事業を行っているわけではないので、そのような心配をする必要がないのです。

また、一般から加入者を募って利益を上げる必要もないので、社会の評判を気にする必要もありません。

タクシー事業やトラック事業が本業であり、共済はあくまで互助の制度にすぎないからです。

そこで、示談交渉や賠償金支払いの際には、平気で上記のような無茶な主張をしてくるのです。

 

8.タクシー運転手やトラック運転手は事故慣れしている?

タクシーやトラックと事故に遭ったとき、問題なのはタクシー共済やトラック共済だけではありません。

ドライバー自身にも大きな問題があります。

タクシーやトラックは、日常的に自動車を運転しており、周囲の同僚も運転手ばかりです。

自然と交通事故の話を耳にすることも多いですし、交通事故の当事者になる機会も、一般の人と比べものにならないほど多いです。

そこで、これらの運転手は、一般の人と比べて事故慣れしています。交通事故に遭っても焦ることがありませんし、平気で開き直る人もいます。

ドライバーの雇用者であるタクシー会社やトラック事業者も同じで、賠償金額を減額するために、あらゆる主張をしてきます。

たとえば、「交通事故が起こっていない」とか、「運転手の過失割合が0」などという主張が典型です。

以上のように、トラックやタクシーが相手の事故に遭った場合、トラックやタクシーのドライバー、雇用者であるトラック会社やタクシー会社、さらにはその保険組合であるトラック共済やタクシー共済のすべてが、「被害者に対する補償をいかに減額しようか」と考えているものばかりなのです。

こうした相手と示談交渉を進めても、適切な補償を受けにくいということをわかっていただけることでしょう。

 

9.タクシー事故やトラック事故での反論方法

タクシー事故やトラック事故に遭い、相手がさまざまな無茶な主張をしてきたとき、そのまま受け入れてしまっては補償を受けられなくなるので、大変です。

この場合、どのように反論したら良いのでしょうか?相手の主張ごとに、反論方法を考えてみましょう。

9-1.交通事故が起こっていない

タクシー共済やトラック共済などが「交通事故が起こっていない」と言って、事故の存在を否定してくることがあります。

この場合には、「交通事故証明書」を取得することが役立ちます。

交通事故証明書とは、自動車安全運転センターが発行する交通事故に関する証明書です。

交通事故の日時、場所、当事者などが記載されているので、交通事故があったことを証明することができます。

交通事故証明書が発行されるのは、警察に交通事故を届け出た場合です。

事故現場で警察を呼ばずに帰ってしまったら、交通事故証明書は発行されなくなり、交通事故の存在を証明できなくなってしまうのです。

このようなこともあり、トラックやタクシー相手の事故が起こったとき、運転手は「警察を呼ばずにここで終わらせましょう」などと言ってくることがあります。

しかし、そのような言葉に応じたら、交通事故証明書が発行されなくなって、相手に何の請求もできなくなってしまうので、決して応じてはいけません。

9-2.タクシーやトラックの過失割合が0

タクシーやトラックの共済や事業者、運転手などは、「自社のドライバーの過失が0だから、賠償金支払い義務がない」と主張することが多いです。

この場合には、事故の状況を明らかにして、過失割合の認定基準にあてはめる方法が有効です。

まず、事故の状況を明らかにするためには、「実況見分調書」が重要です。

実況見分調書とは、交通事故後に警察を呼んだとき、警察が現場の検分をした結果をまとめた書類です。

事故状況の図面や当時の当事者の供述などが載っているので、後になっても、交通事故の状況を明らかにすることができます。

ただ、実況見分調書も、交通事故直後に警察を呼ばないと、基本的に作成してもらうことができません。また、人身事故でしか作成されない書類です。

そこで、トラックやタクシー相手の事故に遭ったら、必ず警察を呼び、人身事故として届け出ることが重要です。

9-3.治療費の過剰請求だ

トラック事業者やタクシー事業者と示談交渉をしていると、相手から「治療費の過剰請求」と主張されることがあります。治療費と交通事故の間に因果関係がない、と言われるのです。

このようなことを言われないためには、交通事故後すぐに病院を受診する必要があります。

すぐに病院を受診しておけば、その時点での診断書を作成してもらうことができるので、事故によって被害者がケガをしたことを証明することができます。

また、その後も継続的に、頻繁に通院を継続すべきです。

そうしたら、実際にその治療が、交通事故のケガにもとづくものであることを証明することができるのです。

定期的に医師に診断書を書いてもらい「あと〇〇ヶ月加療が必要になる見込み」などと書いてもらったら、相手も「その治療は交通事故と関係がない」などと主張することはできなくなります。

9-4.慰謝料が低い

交通事故(人身事故)に遭ったら、相手に慰謝料請求ができます。しかし、タクシーやトラックが相手の場合、慰謝料を非常に減額されてしまうことが多く、ほとんど支払ってもらえないこともあります。

このようなときには、慰謝料の適正な計算基準を提示して、「この計算方法が妥当だから、この内容に従ってほしい」と言いましょう。

交通事故の慰謝料は、「裁判基準」という基準で計算をします。裁判基準とは、裁判をしたときに裁判所が採用する基準です。

結局裁判をしたら、その基準によって計算されることになるのですから、示談によって解決するときにも、同じ基準で判断すべきです。

9-5.弁護士に依頼することが有効

タクシーやトラック相手に示談交渉を進めるときには、自分で対応すると不利になるので、弁護士に依頼することが有効です。以下で、その理由をご説明します。

相手の主張に負けずに反論できる

弁護士は、交通事故の事件処理のプロです。

交通事故の損害賠償金の種類、正しい賠償金計算方法や過失割合の認定基準など、すべて熟知していますし、その知識を使いこなすこともできます。

そこで、相手が不当な主張をしてきても、言い負けずに反論をして、有利に示談交渉を進めることができます。

交通事故をなかったことにされたり、賠償金を不当に減額されたりすることもありません。

実況見分調書を取得できる

タクシーやトラックを相手に示談交渉をするときには、過失割合が問題になることが非常に多いです。

そのようなときには、先に説明したように、実況見分調書を取り寄せなければなりません。ただ、これは加害者の刑事事件の記録で、検察庁に保管されています。

被害者が取得しようとしても取り寄せることができないのです。

弁護士であれば、職権で検察庁に照会をして、実況見分調書を取得することができます。

このことにより、事故の状況を明らかにして、適切な過失割合を当てはめることができるようになります。

裁判基準で計算できる

交通事故の賠償金は「裁判基準」で計算すべきだという説明をしました。

ただ、被害者自身が適切に「裁判基準」を当てはめることは難しいです。

交通事故の損害にはたくさんの費目があり、それぞれ計算方法が決まっています。

非常にわかりにくいものもありますし、自分で計算した結果が合っているかどうかがわからないこともあるでしょう。

弁護士であれば、確実にすべての損害を裁判基準で計算できるので、漏れなく全ての損害について、適切な補償の請求をすることができます。

裁判をして強制執行ができる

タクシーやトラックあるいはその共済と示談交渉をしても、相手が合意せずに示談が決裂する可能性は十分にあります。

その場合、被害者が自分一人で対応をしていたら、あきらめるしかないことも多いです。

これに対し、弁護士に対応を任せていたら、弁護士は裁判をして争ってくれますし、適切な主張と立証をして、被害者の主張が正しいことを認定してもらうことができます。

このことで、裁判所から相手に対し、支払い命令を出してもらうことができます。

相手が任意に支払いに応じない場合、相手のトラックやタクシーなどを差し押さえることにより、取り立てをすることも可能です。

 

まとめ

以上のように、トラックやタクシー相手に示談交渉を進めるときには、弁護士に対応を依頼することが非常に有効ですし、必要です。

相手の共済が出てきて「賠償金の支払いができない」、などと言われて困っているなら、まずは一度、交通事故問題に強い弁護士に相談してみましょう。

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  • この記事を書いた人

福谷 陽子(元弁護士)

元弁護士。平成16年より交通事故や離婚、債務の問題を多く取り扱う弁護士として活躍。平成19年4月陽花法律事務所を設立。現在は、体調不良により、法律問題をわかりやすく解説するライターとして活躍中。

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